厚労委員会で尾身分科会会長とコロナ対策の議論をしてきました。その中で、公衆衛生の専門家として、五輪開催に警鐘を鳴らし、中止を含め検討を求めてきたのは、開催によって人々がコロナ感染に対する警戒を解いてしまう誤ったメッセージになること、矛盾が生じることで人々が政府のお願いに聞く耳をもたなくなることを危惧されていました。
東京オリンピックの開催、特にIOCバッハ会長の銀座散策、それに対する丸川担当大臣の「自粛は本人の判断」という庇ったかのように取れる発言は、これまで頑張って自粛し、我慢してきた気持ちをくじけさせ、感染拡大防止に協力しようという思いをなくすものではなかったかと思います。
まさに尾身会長が危機感を持たれていたことが現実になってしまいました。そのことについて、尾身会長にお聞きしたところ、今までにない強い口調でバッハ会長の行動について、その行動が発するメッセージが問題であるとの発言でした。
報道では、バッハ会長に苦言となっていましたが、感染症対策で必要なリスクコミュニケーションができなくなったことへの危機感を表れだと受け止めました。
さらに、菅総理からも楽観的なメッセージや認識が出されること、危機感が伝わらない記者会見など、政府のリスクコミュニケーションに問題があります。危機のときこそ、リーダーの言葉、表情で現状の危機を伝える、行動の先にある未来を共有する必要があります。
※会議録はこちらをご覧ください https://otsuji.club/blog/wp-content/uploads/2021/08/令和03年08月25日厚生労働第31号06_尾辻かな子委員.pdf
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